私は高杉晋作

頭がおかしいと言う人が「頭がおかしい」

日本の衰退の根本原因は何か

約 13 分
日本の衰退の根本原因は何か

突然だが、今の日本人の道ゆく人に「日本って絶好調ですよね」「日本って今後の成長が来たできますよね」と聞いたらどう帰ってくるだろうか。

 

 

日本って衰退してるでしょ。

そんなことも知らないのか。バカだな。

 

 

 

 

そう。

日本は衰退しているということは特に経済や政治、会社経営をしていない人間でも共通認識を持っている。

 

おそらく世の中には多くの論争があるかもしれないが、こと「日本衰退論」に関しては共通理解が得られるであろう。

 

ここで、解決策としてどういうものが上がってくるか?

「頭のいい人」からは以下のような言葉が出てくる。

 

  • 抜本的構造改革
  • 大規模な規制緩和
  • イノベーション
  • アジアにとびだせ

 

 

ここでいう「頭のいい人」というのは少し具体的に踏み込んでいうと「マッキンゼー」をでていたり、「大学の教授」だったり、MBAをとっているような人のことを言う。

 

 

 

私もやはり肩書きにビビってしまうところもあり、「マッキンゼー」とか「慶応大学の教授」とかついているとビビってしまう。

 

 

しかしながら、よくよく考えたり調べてみるとそんなにすごい人間ではないどころか言ってることはめちゃくちゃだし日本のためにもならないことを言っている人があまりに多すぎることに気づいた。

 

私は以前大前研一や伊賀泰代と言われる人間たちが執拗に語る「生産性」という言葉の欺瞞に気づいて以降、彼らや彼女らのデタラメぶりを徹底的に明らかにしてみたいと感じるようになったのだ。

 

 

今日は、日本衰退の根本原因について少し考えてみた。

 

  1. 「頭のいい人」たちの主張のおかしさ❶ーベンチャーとイノベーションー
  2. 「頭のいい人」たちの主張のおかしさ❷ー規制緩和とイノベーションー
  3. 日本衰退の根本原因はどうすれば解消に向かうか 

「頭のいい人」たちの主張のおかしさ❶ーベンチャーとイノベーションー

無償で落書き程度の省察を書いていくため細かい粒度は読者のさらなる調査に委ねるという了解のもと書かせていただく。

 

さて、まずは日本の衰退の根本原因をあらかじめ私なりに述べると「規制緩和」や「構造改革」を進めなかったからではなく、むしろそういったものを進めたからであるというものである。

 

つまり、私から言わせていただくと「頭のいい人」たちの言っていることは的外れもいいところなのだ。

 

いろいろとこの理由を書きたいところなのだが、ここでは、イノベーションに対する誤解について書かせていただこう。

 

 

日本衰退論ではよくこういう話が出てくるのではないだろうか。

 

「日本には最近グーグルやアマゾン、フェイスブックのような起業家による破壊的イノベーションが全くない。政府がスタートアップを振興しなかったり大企業を擁護し続けているからだ。」

「日本の大企業はダメ。アメリカのようにすごいスピード感で出てくる起業家をもっと出さなければダメ。」

 

 

要するに起業家をたくさん育てベンチャーがたくさん出てこればイノベーションが盛んに行われ日本の衰退に歯止めがかかると。

 

 

こういう前提に基づく「起業せよ」「ベンチャーへ行け」は多くの「頭のいい人」によって進められている。その典型が大前研一である。

 

 もう一つ、日本の就職論議の中で抜けているのは、実は中小企業はまだ
人材不足で、良い大学から採用できていないということだ。
ここぞとばかりに積極的に採用しているアグレッシブな中小企業も増えて
いるのだが、親と先生が中小企業に行かせたがらないし、本人も行きた
がらない。

他方、アメリカのハーバード、スタンフォード、MITなど一流大学のビジネス
スクールでは、大企業に就職する人間はほとんどいない。大半は自分で起業
するか、面白そうなベンチャー企業に行く。だからアメリカの一流大学には
「就職内定率」という言葉そのものがない。卒業時にはすでに起業している
輩もたくさんいるからだ。就職内定率が過去最低になったと騒ぎ、若者の
安定志向が強まって企業活力が衰える一方の日本とは雲泥の差だ。

人事抗争が絶えない今の大企業を見て、就職したいという気になること自体が
異常だと私は思う。

大前研一 『 「寄らば大企業」の日本と逆! ・・・
~ 米国では、”即戦力”の軍人採用企業が急増中 』

大前研一のアタッカーズ・ビジネススクール コミュニティー: 大前研一最新提言!『 「寄らば大企業」の日本と逆!米国では、“即戦力”の軍人採用企業が急増中 』

 

大前研一といえばまさにマッキンゼーの人間であり、ビジネスマンのオピニオンリーダーとしての人気も根強い人物である。

 

どうもマッキンゼーにはこの手の人間が多いらしく、私が調べただけでも勝間和代だったり、伊賀泰代というような今なお物書きとしても人気が高い元マッキンゼーはこぞってにたような事を言っている。

 

 

 

ちなみに日本政策投資銀行も同じような論調に基づくレポートを出している。

 

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『近年の日米ベンチャー起業からみえる日本の起業活性化に向けた課題

出所;日本政策投資銀行』

http://www.dbj.jp/pdf/investigate/mo_report/0000170428_file3.pdf

 

小さくて申し訳ないが、日本政策投資銀行のエリートの方々も「ベンチャー企業=イノベーション」という方程式を手堅く持っている。

 

 

グーグルやフェイスブックなどの新興企業の比率がアメリカは高いのに対して日本は少なくイノベーションが求められているとここには書かれている。

 

 

さて、私のような素人かつマッキンゼーに入るような論理的思考力もなさそうな人間が一つ物申してみたいと思う。

 

 

 

「頭のいい」先生たちが混同している事があるのだ。

 

それは前振りはしたつもりだが、レベルとしては「ベンチャーっしょ」とか叫んでるバカ大学生と同じレベルなのだが、「起業=イノベーションが起こせる」「大企業=イノベーションは起こせない」という二項対立だ。

 

 

実は、ここには二つほど突っ込みどころがある。

それは一つはもちろんイノベーションはベンチャー企業から起きるという暴論である。

 

 

 

ここは冷静に見る必要がある。

 

仮にベンチャーからしかイノベーションやメガ企業が誕生しないようないいぶりが事実だとしたらいろいろと説明がつかない事がある。

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『近年の日米ベンチャー起業からみえる日本の起業活性化に向けた課題

出所;日本政策投資銀行』

http://www.dbj.jp/pdf/investigate/mo_report/0000170428_file3.pdf

 

本場アメリカでベンチャー文化が成長するどころか衰退しているのだ。

これは私自身かなり驚いたもので、大前研一などのように「アメリカを見習え」と言っている人間の話だけを鵜呑みにしていると気づけない。

 

 

もちろん「量が質に転化し始めている」という反論が予想される。

事実廃業率も共に下がっていることからそれは一定の妥当性があるだろう。

 

 

しかし、「質」とはなんだろうか。

これに絡めて話したいのが、次のことである。

 

 

もう一つは、「イノベーション」の定義だ。

先ほどの資料を追いかけていくと近年のユニコーン企業をリストアップしてあった。

 

 

 

ほれみろアメリカはすごいだろと言わんばかりである。

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『近年の日米ベンチャー起業からみえる日本の起業活性化に向けた課題

出所;日本政策投資銀行』

http://www.dbj.jp/pdf/investigate/mo_report/0000170428_file3.pdf

 

しかしよーーーーーく見て欲しい。

なくて生きていけないようなものがあるだろうか。

 

そんなにおおそれた「イノベーション」だろうか。

 

 

おそらくマッキンゼー的発想からすると「イノベーション」とは「お金儲けができるかどうか」で見ているのではないだろうか。

 

 

「人を豊かにする」とか「国に貢献する」という視点でイノベーションを定義していないのではないだろうか。

 

「金が儲かるかどうか」「利益が出そうか」という金融的な発想のもと生まれてきたと考えざるをえない。

 

 

 

おそらくここにある会社は上場してそれなりにやっていくのだろうが国益にかなうものでければいずれ成長は止まるだろうし、流行が終われば衰退するという運命をたどるだおる。

 

 

 

 

ここで何を言いたかったのかというと、

 

なくて生活ができないというものはなさそうなのにイノベーション?

ベンチャーってイノベーションとイコールなの?

 

という問題提起がしたかった。

国の役に立たないものはいずれ成長が鈍化する。

 

先ほどのリストにあったようなベンチャーはおそらくある条件を満たさなければ世界的企業にはならない。(その条件は後述する)

 

学生時代の意識高い系学生の言っていた「ベンチャーっしょ!」になんとなく反感を持っていた私にとってようやく言語化できた。

 

「頭のいい人」たちの主張のおかしさ❷ー規制緩和とイノベーションー

続いてのひねくれた私の問題提起が

  • 規制緩和をすればイノベーションが起こせる。
  • 規制緩和をすれば素晴らしい世界的企業を生み出せる。

 

というものである。

 

さて、規制緩和とイノベーションの出現や巨大企業の出現は相関性があるのかということがきになる。

 

もちろんこれに該当するものはあるということは理解しつつも事実の傾向としてはむしろ逆ではないかということだ。イノベーションの定義は難しいのでまずは巨大企業は規制緩和で生まれたかを見てみよう。

 

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世界時価総額ランキング2017 ― World Stock Market Capitalization Ranking 2017

 

上位にはずらりとシリコンバレーを含めたアメリカの超大企業が顔を並べる。

7位にはアリババが入ってくる。

もう少し見てみよう。

 

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世界時価総額ランキング2017 ― World Stock Market Capitalization Ranking 2017

 

 

中国とアメリカ がやはり多い。

そこにサムスンが入ってくる。

 

 

さて、これら企業が果たして「自由化」の過程で生まれたのだろうか。

VCからの投資でぽんっと生まれたものなのだろうか。

素晴らしいビジネスリーダー一人が自力で生み出したのだろうか。

 

 

 

いや間違いなく違う。

ほとんどが、国策企業もしくは国の施策の過程で誕生した会社ではないだろうか。

 

 

 

中国は言わずもがなで、韓国も財閥によりサムスンが巨大化したことはご存知かと思う。

 

 

 

で、アメリカの「ハイテク企業」だが、これはいわゆる「ガレージで生まれた」と思われがちだ。

 

しかし、それはワンオブゼムどころか極めて小さな箇所を針小棒大に語っている。

 

 

ラリーペイジやジョブズ、ザッカーバーグなどが生まれてきたのは彼らの才能だけではなく外部要因の方が大きかった可能性が高いのだ。

 

 

例えば、ラリーペイジは国防総省の支援を大きく受けていたし、ジョブズの生み出したアイフォーンも中身のほとんどはもともと軍事的用途で生み出されたものを応用して作ったものである。

 

アマゾンも少し前有名になったがAWSというクラウドをCIAと契約をした。

これが偶然と言えるだろうか。

 

 

これが自由化でガレージからだけで生まれたものだとしたら規制緩和をするのが正解だと思うが、そうは思えないと言わざるをえないのではないか。

 

 

 

この辺りは私の二次情報を当てにするのではなくご自身でも是非調べてみていただきたい。

 

 

情報技術をおさえることは情報を全て意のままに操れることを意味するので軍事的な要素を避けては通れないのだ。

 

だからこそ中国はインターネットを解放しない。

 

日本衰退の根本原因はどうすれば解消に向かうか

さて、衰退し行く日本からイノベーション企業を出すにはどうするかだが、もうこれは見えてきたかもしれない。

 

 

国による産業の保護や支援である。

 

事実日本で数少ない「イノベーター」と言われるソフトバンクもあそこまで攻勢に出れるのは国内の通信事業が国の規制で保護され過分に利益を得られるからであり、孫さんだけであそこまで行けているかと言われたら極めて怪しいものがある。

 

 

完全自由化で通信事業を薄利多売していたら素晴らしい起業家として積極果敢な投資ができていただろうか。

 

 

いいか悪いかは賛否両論あるとして、「世界的企業」なるものを出すには起業するだけではダメで国の後押しがなければ早晩ピークアウトするというのが私の考えである。

 

 

 

それ故に「自由化」すれば巨大企業なんて生まれないし、グローバル企業にはなりえない。

 

メルカリやラインなどもすごい企業だが世界的企業になるとは思わない。

 

国の後押しを取り付けて世界に広める道筋がないからだ。

 

 

以上、私が述べたかったことである。

平たく言えば、「自由化すればいい」というのはバカの発想であり、これは中野剛志先生という方もおっしゃっているが最強の起業家は「国」なのである。

 

今こそ、フリードリヒ・リストやカールポラニーをはじめとした保護主義を訴えた人物たちを再度クローズアップすべき時が来た。

 

おもしろきことなき世を面白く

 

 

About The Author

高杉晋作
1992年日本生まれ。ハンナ・アレント、カールヤスパースを師と仰ぎ読書会をやっている青年。より多くの人に「言論活動」の場を広げることで「人間味ある世界」の再生を目指している。

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  1. 図書館で出会った哲学的な本で考え方が変わってしまった男

    20代前半男です。このブログ好きです。お気に入り登録させてもらっています。
    ネットはくだらないですが、こういうブログは良いですね。
    最近ずっと思考停止状態でしたが、また哲学してみようかと思い始めました。
    ハッとさせられました。
    この記事とは関係ないですが、ありがとうございます。

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