私は高杉晋作

頭がおかしいと言う人が「頭がおかしい」

ビジネスマンの言う「スキルアップ」がどうもおかしい

約 7 分

前回の記事で、日本がおかしいということについて書いたのだが、それと重複するところが多いので、そちらを読んでくださった方は、スキップしてもらえればと思う。

 

 

なんで似たようなことを書くのかというとやはりこのおかしさは尋常ではないのだ。

 

 

その兆候を前回とは違う角度で書いていきたい。

 

背景なのだが、最近Newspicksでいろいろなニュースを見たりコメントを書く機会が増えた。そして、本屋に行ってビジネスマンのトレンドを押さえるようにもなった。

(ただ、決してビジネス書は買わない)

 

そこで見えてきたのは、今のビジネスマンというのはもちろんそうでない人もたくさんいるが、向上心が高いのだ。口を開けばスキルアップと騒いでいる。

 

 

昔のように終身雇用や年功序列が崩れたと言われたことと関係があるのだろうか。

人工知能が現在の仕事の多くを奪うと話題になっているからだろうか。

 

 

 

その要因は複数あるのかもしれないし、私の知らない理由もあるのであろう。

「稼ぐ力」なんて言葉がいろいろなところで溢れており神田昌典あたりはそのようなビジネスマンをターゲットに大儲けしている。

 

 

多くのサラリーマンが休日になればセミナーに行ったり勉強会に行ったりと精を出しており社会も変わったなあと感心するばかりである。

 

 

 

もちろん旧態依然として呑んだくれている人はいる。

 

しかし、著しく危機感が低いか国策企業で父さんがほぼほぼないことが決まっているような企業の人なのであろう。

 

 

で、一般的にこういう時に批判されるのは「向上心のない」ビジネスマンたちで、セミナーに通って英語を学習して、MBAをとろうとするビジネスマンは素晴らしいと言われているということを否定する人はいまい。

 

 

 

しかしながら、ここに大きな落とし穴がないだろうか。

確かに、呑んだくれている人間が偉大だとは思わないが、それは脊髄反射的に逆側が正しいということは意味しないはずだ。

 

 

にもかかわらず、スキルアップを目指すビジネスマンにみんな拍手喝采なのだ。

 

今日は、最近ビジネスマンが騒いでいるスキルアップがおかしいなあという私の極めて主観に溢れたエッセーを書こうと思う。

 

  1. ビジネスマン必携の三つのスキル
  2. スキルアップは本当にアップしているのか
  3. 賢者が語った本当のスキルアップについて

 

 

ビジネスマン必携の三つのスキル

私はスキルアップしたいと考えるようなビジネスマンではないので、あまりビジネスマンのスキルアップについては詳しくなかった。

 

そこで、ネットで色々と記事を回覧していたのだが、スキルとしては以下の三つへの関心が高かった。

 

  1. 英語(中国語)
  2. プログラミング
  3. MBA

 

これをものにしているビジネスマンは「スキルアップしている」という状態らしい。

私なんて留学もしたことがないし、プログラミングも面白くないんで一瞬でやめたし、経営者になりたくもないんでMBAという言葉を聞くだけで蕁麻疹ができる。

 

 

しかし、大前研一あたりが盛んに叫んでいるからかビジネスマンでこれの一つも持っていないと「時代に取り残された化石人類」と言われるレベルだ。

 

 

続いてソフト的な意味でのスキルセットを見てみた。

以下の三つが定番のようだ。

 

  1. 論理的思考力
  2. 情報収集力
  3. 人脈

 

 

これまた私はビジネスパーソンなのに一つも持っていない。

論理的であることはしばしば欺瞞的だと思っているし、知識の詰め込みを馬鹿の一つ覚えだと思っているし、「人脈」に関してはその言葉自体が嫌いな始末だ。

 

 

 

私ほど完全に時代に取り残されている人もいないだろうから読者諸氏には多少なりとも安心していただければ幸いである。

 

 

さて、ハードに関してもソフトに関してもスキルアップできているかの指標を書いてきたが、あなたはいくつ満たしているだろうか。

 

すべて満たしている人もいるかもしれない。

まあそういう人はグローバルで活躍していただければ幸いである。

 

スキルアップは本当にアップしているのか

グローバル化が進む時代の中で必要なスキルアップだが、本当に「アップ」しているのかといえば私は極めて懐疑的な立場を取っている。

 

 

このスキルアップなるものはどこを指してアップと言っているのかということをまずは考える必要があるが、おそらく「グローバル化した市場において金持ちになるにはどうしたらいいか」という話である。

 

 

いちいちオブラートに隠すなよと私は常々思っているわけだが、まあそれはそれとして、「アメリカ化」することが本当にビジネスマンにとっていいことなのかと本当に怪しいのだ。

 

 

歴史的には「アメリカ化」することを前向きに「開国だ!」「国際化だ!」と叫んだことは過去に何度かある。

 

 

明治初頭以降そういったことがあるたびに見識のある人間が歯止めをかけてきた。

あなたたちは信じられるだろうか、東洋がある面では西洋よりすぐれているということを!

岡倉天心『茶の心』

 

その一人が岡倉天心なのだが、天心を表して後年河上徹太郎は以下のように彼について書いている。

 

いわば彼は新しいものを求めて古美術の道へ踏み込んだのだ。これが天心の進歩性である。そしてここに彼が目先の時流を追わず、安きにつかぬ在野性、或いはアウトサイダーとしての真面目があるのだ。

河上徹太郎『日本のアウトサイダー』

 

他にも同時代に福沢諭吉、新渡戸稲造、内村鑑三など真っ当な知識人がいることで人々が誤った方向へいくことを止めたのだ。

 

 

今、日本では、初等で英語教育の必修化が始まりやプログラミングの学習の必修化も近い将来決まるだろう。そのうちマッキンゼーのフレームワークを初等でやり出すのだろうか。

 

 

 

恐るべきは、現代社会のビジネスマンのいう「スキルアップ」に対してストップをかける見識者が極めて希少だということだ。

 

むしろ声の大きな人が「英語を学べ」「海外に打って出ろ」「プログラミングを学べ」と言っており、日本の滅亡もいよいよ近いとすら思われる。

 

私の危惧とは他ならぬブレーキをかける「保守思想」の欠如であって、それ以上でもそれ以下でもない。

 

賢者が語った本当のスキルアップについて

最後にこれを読んでいるあなたがビジネスマンだとして今のように「グローバル化」が叫ばれながらそれにブレーキをかけた見識のある方々の本を載せておきたいと思う。

 

 

彼らは、いわゆる排外主義的な人物ではない。

むしろ積極的に海外思想や海外の考え方に向き合いつつ守るべきものを守った。

 

 

福澤諭吉『福翁自伝』

 

 

About The Author

高杉晋作
1992年日本生まれ。ハンナ・アレント、カールヤスパースを師と仰ぎ読書会をやっている青年。より多くの人に「言論活動」の場を広げることで「人間味ある世界」の再生を目指している。

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