私は高杉晋作

頭がおかしいと言う人が「頭がおかしい」

【決定版】本の選び方

約 7 分

私は、読書会というのを定期的に開催させていただいているのだが、そういうこともあって「本の選び方」を教えていただきたいと言う質問をしばしばいただくことがある。

 

 

ということで、僭越ながら今日は私がしばしば話している本の選び方に関してご紹介できればと思う。普段よく話すことなので、知ってる人には目新しさはないと思う。

 

  • 誤った本の選び方ー表紙で選ぶ
  • 誤った本の選び方ー即効性で選ぶ
  • 「正しい」本の選び方ー初心者はまずこれを

 

 

誤った本の選び方ー表紙で選ぶ

「表紙につられて。。。。」

「タイトルに惹かれて買いました。。。」

 

こういう話をよく聞く。

 

今は「読書離れ」などとも言われる時代のようで、出版社も本を買ってもらうために必死である。

それ故に中身よりも前にまずは、タイトルで引きつけるようなものをうりだすわけだ。

  • 成功者は・・・
  • 一流の男は・・・
  • ビジネスリーダーがやっている・・・

 

こういう似たようなタイトルが山のように丸善やら紀伊国屋らの平積みコーナーには並んでいるのだ。

 

 

この状況では初心者が間違ったの選び方をしてしまうのは仕方のない事かもしれない。

 罠が仕掛けれているのだ。。。。

 

 

 

さて、それを読んでみたことがあるならわかるだろう。

「非常に読みやすい」ものであると。

 

 

 

それはそうだ。

出版社も読書初心者向けに文字を大きくしたりページ数を減らしたりしているのだから。

 

 

しかし、次の日になってその内容を覚えていたことがあるだろうか?

それならさすがに覚えているという人は一週間後や一年後まで「こびりつくように」覚えていることが何か一つでもあるだろうか。

 

 

これらの本を買うことを否定はしないが、総じて中身が薄いと私は考えている。

 

これこそが、罠の正体だ。

 

 

もともとこういう本を乱読していた私が言うのも説得力がないがあれほど何もないものもない。

 

本の選び方にたどり着く前にまずは「やってはいけないこと」をここではまずは列挙する形となるが、「タイトル買い」と呼ばれるものを断じてしてはいけないということだ。

 

愚書はあなたの時間も金も奪おうとしてくることが少ないのである。

 

誤った本の選び方ー即効性で選ぶ

今の話が、これにもつながるのだが、「即効性」を求めてを選ぶこともまたあってはならない選び方である。

 

特に私が警戒すべきとしてあげるのは「心理学」や「メンタリズム」と呼ばれるものに傾倒しているものだ。

 

あれは「自分を変える」という目的で利用されるものだが、非常に危険なものであることを伝えなくてはならない。これは自己啓発本についても当てはまるため、こちらを好きな方にも参考になることである。

 

 少し長いが一文字足りとも飛ばさずに、次のアーレントの言葉をよくよく読み込んでもらいたい。

現代心理学は砂漠の心理学である。私たちから判断能力・・・が失われた時、私たちは、もし砂漠の生活という状況下で生きて行けないとしたら、それは私たち自身に何か問題があるからなのではないかと考え始める。心理学は私たちを「救済」しようとするのだろうが、それは心理学が、私たちがそうした情況に「順応」する手助けをして、私たちの唯一の希望を、つまり砂漠に生きてはいるが砂漠の民ではない私たちが砂漠を人間的な世界に変えることができるという希望を、奪い去ってしまうということを意味しているのだ。心理学は全てをあべこべにしてしまう。私たちは未だに人間であり、未だに損なわれていないのである。危険なのは砂漠の本当の住人になることであり、その中で居心地よく感じることである。

ハンナ・アレント『政治の約束』

 

この『政治の約束』という名著は、私が持っていた自己啓発書や心理学にまつわる200冊以上の本を即座にゴミ箱に捨てさせる決意をもたらしたものである。

 

 

ここに書かれていることというのは、我々が何か生活における苦しみを感じた時、総じて「自分に問題があり」、そして、「自分を変えなければならないのではないか」という風に考えてしまうということの危険性を伝えるものである。

 

 

これはミシェル・フーコーなども指摘していることである。

十九世紀の「人間愛」が、狂気を「解放」という偽善的な形式で閉じ込めたこの「道徳的なサディズム」なしには、この心理学というものは存在しなかっただろう。

ミシェル・フーコー『精神疾患と心理学

 

 

アーレントもフーコーもあなたがまともで周りが砂漠だという検討を忘れていないかという投げかけをしているのだ。

 

 

もちろん自分を変えるなと言いたいわけではない。

しかし、現代社会というのは困難に直面するにあたり、「自分を変える」という即効性に飛びつくが故にむしろ人々の状況を悪化させていることが少なくないと思うのだ。

 

 

 

本の選び方として「即効性」のありそうな本というのは総じてメンタリズムに支えられており、その判断軸での選択はあなたを危険に誘うということを何としても頭に留めてもらいたい。

 

あなた自身を解体するものでさえある。

 

 

参考:読んではいけないメンタリズム系統の本代表例

  • 『7つの習慣』
  • 『嫌われる勇気』
  • 『思考は現実化する』

 

「正しい」本の選び方ー初心者はまずこれを

ショーペン・ハウエルという天才をご存知だろうか。

 

 

彼は読書論を書いた人なのだが、読書初心者は、まずもってショーペンハウエルの『読書について』を読んでいただきたい。

少しだけ彼のエッセンスを紹介しよう。

 

したがって読書に際しての心がけとしては、読まずにすます技術が非常に重要である。その技術とは、多数の読者がそのつどむさぼり読むものに、我遅れじとばかり、手を出さないことである。

アルトゥール・ショーペンハウエル『読書について』

 

まずは、私がここまで筆を進めてきた通り、「読まなくていい本」に絶対に手を出すなというところから彼の読書についての考えが示されている。

 

「タイトルで釣る本」や「即効性を歌う本」などはこれに含まれると考えてもらって良いであろう。

 

 

正直、店に入ってすぐに平積みになっている本というのは大抵がこの安易なメンタリズムかタイトルだけの薄っぺらい書籍で溢れかえっており、時間も金も無駄にすることが頻発する。

 

 

それ故に、読者諸氏には本を選ぶにあたって次のショーペンハウエルの言葉を思い出していただきたい。

・・むしろ我々は、愚者のために書く執筆者が常に多数の読者に迎えられるという事実を思い、つねに読書のために一定の短い時間をとって、その間は比類なく卓越した精神の持ち主、すなわちあらゆる時代、あらゆる民族の生んだ天才の作品だけを熟読すべきである。彼らの作品の特徴を、とやかく論ずる必要はない。良書とだけいえば、誰にでも通ずる作品である。このような作品だけが、真に我々を育て、我々を啓発する。

 悪書を読まなすぎるということもなく、良書を読みすぎるということもない。悪書は精神の毒薬であり、精神に破滅をもたらす。

アルトゥール・ショーペンハウエル『読書について』

 

これは明快だ。

あらゆる民族が生んだ「天才」の本を読めとのことだ。

 

 

 

この本の選び方ほど適切なものはない。最強の読書術である。

 

 

彼らの作品の特徴は「良書とだけいえば、誰にでも通用する作品」なのだ。

 

 

これは、「三十年ローンで一軒家を買うお父さん」「平日の夜は居酒屋で一杯のお父さん」「新聞を読むのは社会人として当然だというお父さん」でも知っているくらい有名な天才からまずは読んでいけばいいということを指している。

 

 

 

具体的に名前をあげよう。

海外であれば、以下のような人物だ。

  • ソクラテス
  • プラトン
  • アリストテレス
  • デカルト
  • ルター
  • カント
  • マルクス
  • ヘーゲル
  • ホッブズ
  • ルソー
  • ニーチェ
  • ハイデガー
  • ジョージ・オーウェル
  • ドストエフスキー
  • ゲーテ

 

といったところは読んだことはなくても4−5人は名前くらいは聞いたことがあるのではないか。

 

日本人の場合だともっと明快だ。

  • 福澤諭吉
  • 新渡戸稲造
  • 鴨長明
  • 兼好法師
  • 世阿弥
  • 本居宣長
  • 内村鑑三
  • 二宮尊徳
  • 西田幾多郎

といったところだ。

 

これらを本屋で買い読めばいいだけなのだ。 

もちろん本当は、もっとたくさんあげられるが、「知名度」という観点でまずはこちらを上げている。

 

 

兎にも角にも名前くらいは聞いた事がある天才の書を読んでみてほしい。

 

 

おもしろき事なき世を面白く

 

読書って何をしたらいいのって人へ

About The Author

高杉晋作
1992年日本生まれ。ハンナ・アレント、カールヤスパースを師と仰ぎ読書会をやっている青年。より多くの人に「言論活動」の場を広げることで「人間味ある世界」の再生を目指している。

Leave A Reply

*
*
* (公開されません)