私は高杉晋作

頭がおかしいと言う人が「頭がおかしい」

読書会でとても評判が良かったおすすめの本5冊〜2016年度決算〜

約 10 分

ご存知、私は、読書会というのを毎週毎週バカの一つ覚えのようにやっている。

開催場所は東京だったり最近はネットでスカイプ経由で参加できるものなどがメインである。

で、最近は主に古典を読み込むような読書会を開催しているのだが、年間を通して特に評判のいい本があった。

今日は、その本をご紹介したいと考えている。上からおすすめというわけではないので紹介順はあまり気になさらないでいただきたい。

私自身、改めて何度でも読み返している本である。

1.キルケゴール『死に至る病』

2.ハンナ・アレント『人間の条件』

続いて読書会で好評だったのが「難解」と言われたもののこのハンナ・アレントの『人間の条件』だった。

よくブログでも引用している本著であるが、その題名通り、「人間の条件」を書いている本である。これは人間であれば読むべきおすすめの本である。

アーレントは人間の条件を「労働」、「仕事」、「活動」という風にわけたのだが、

彼女の問題提起は、そのうち「労働」によって「仕事」「活動」の双方が破壊されたということを示していることである。そして、この「労働」がいかに非人間的であるかを彼女は指摘する。

 

 

労働と仕事の違いについては今回は割愛し、ここでは現代では絶滅している「活動」について少しふれたい。

アーレントが「活動」という言葉を使うときそれは極めて独特の意味を含んでいるのだが、平たく言えば、「言論活動」のことをアーレントは「活動」と呼んでいる。

この言論活動できる場が何よりも人間を人間らしくするとアーレントは考え、その領域が失われている危機的な現代の状況を嘆いたわけだ。

なぜこれほどまでに言論活動が重要なのかというと、それは言論活動を通して人間が「自分と相手が互いに異なるものである」という感情を獲得できるからだという。

言論と活動は、このユニークな差異性を明らかにする。そして、人間は、言論と活動を通じて、単に互いに「異なるもの」という次元を超えて抜きん出ようとする。

ハンナ・アレント『人間の条件』

この「異なるもの」という感覚こそが、現存在が現存在事態に対して価値を感じる契機であるとアーレントは考えたわけだ。

少し踏み込んで言えば、「自己脱却」を阻止できる数少ない方法なのである。

実は、私が読書会を開催している理由もハンナ・アレントの『人間の条件』に感化されたからといっても過言ではなく、彼女の本なくしては私も読書会を始めることはなかったと言って良い。

おすすめ中のおすすめである。

*ちなみに小ネタであるが、彼女の敬愛するアウグスティヌスという中世カトリックの開祖がなぜ教会をたくさん作ったかという理由が興味深いので紹介したい。

彼が教会を各地に置いたのは、もちろんその宗教を広めることが目的であったことは間違いないが、それ以上にそこに人が集まることができる「公的基盤」(言論の場)を構築することに最大の目的があったと言われているのである。

日本には、残念ながらこのような公的な基盤が全くもってない。

それ故に、会社という功利主義の歯車にはまるか家に帰るかの二つしか行き場のない人は多く、孤立感を深めやすい社会といえる。

読書会にはその可能性を私は感じていたりするのだ。

*合わせて読みたい参考文献

ハンナ・アレント『政治の約束』

3.エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』

3つ目は、エーリッヒフロムの『自由からの逃走』である。

こちらは、公民などの教科書にも乗ったものであるが、キルケゴールの述べた「徹底した自己喪失」が現実に起きたナチの全体主義運動後にその要因分析をした本である。

ヒットラーは、演説者の優れた力によって聴衆の意志を破壊することが、プロパガンダの本質的要素であるとのべている。

エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』

なぜ「自己自身」を多くの人は当時捨て去ったのか?

それは、「社会の理想へ奉仕せよ!」という言葉でもって表現できるであろう。

目的を完遂するにあたっては個人の「自由」は取るに足らないものであると刷り込むことを何よりも重視したのが、ナチスであった。

その過程で、何百万人を犠牲にしてでも「社会の理想」の完遂が優先されたのだ。

この本は歴史についても学べるが、それ以上に学べることは時代は変われど、我々の毎日においても起きていることに気づかせてくれる意味で、おすすめの著書だったりする。

「部署を盛り上げるため」という名目のもと織りなされる全体主義的飲み会などその典型例で、会社の部署を盛り上げるために裸踊りに興じさせられる「新入社員」などはその悲惨な事象の典型的例といえよう。

彼は「徹底した自己喪失」を完遂しかけているのである。

*合わせて読みたい参考文献

エーリッヒ・フロム『愛するということ』

4.ジョージ・オーウェル『1984』

5.オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』

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