教養とは何か

教養

 

 

という言葉がどうも流行っているらしい。

本屋に行けば佐藤優氏だったり、出口さんの本を筆頭に「教養が大事だ」と言う本が多い。

リベラルアーツ何て言葉が市民権を得たりもしている。

 

そして売れ行きもいいようなので、ある種教養ブームなるものが来ているのかもしれない。

 

何せ「グローバル時代を戦うには教養が必須だ」みたいなキャッチコピーが溢れているのだから、ビジネスマンは教養をつけようと必死なわけである。

 

 

だが、待ってほしい。

教養とは何かをあなたはご存知であろうか。

 

今日は、私がいろいろな智者の文献をもとに教養とは何かについて整理してみた。

  1. 教養とは何か?
  2. 教養がある人とは?
  3. 教養をつけられると感じる5冊の本

 

 

教養とは何か?

小林秀雄という日本が生んだ智者をご存知だろうか。

 

彼の著書に『教養ということ』という著書があり、そこに印象ぶかい一節があるため早速引用したい。

 

現代人には考えることは、かならずわかることだと思っている傾向があるな。つまり、考えることと計算することが同じになって来る傾向だな。計算というものはかならず答えが出る。高ら考えれば答えは出るのだ。答えが出なければ承知しない。

小林秀雄『教養ということ』

 

 

ここでは、教養とは何かを知る上で、とても大切なことが書かれているように私には感じる。

 

 

ここで小林秀雄が批判している人間の特徴を端的に述べると「答えが出ないと承知しない人間」である。

 

つまり、別に読書をしているから教養がある人だというわけでもないし、逆に読書をしていなくても教養がある人も入る。

 

 

さて教養とは何かであるが、これはリベラルアーツだの何だの言われているが、小林の言葉を借りて言うならば「答えが出ないことを承知できる人間」に他ならない。

 

その「考える」という行為自体を純粋に楽しむことができ、答えが出ないことを苦しみではなく、喜びとすることができる人を教養がある人だというようである。

 

私の主張の裏付けとして、今述べたことを小林は岡潔との対談本である『人間の建設』の中でも述べている。

ベルグソンは若い頃にこういうことを言っています。問題を出すということが一番大事なことだ。うまく出す。問題をうまく出せば即ちそれが答えだと。この考え方はたいへんおもしろいと思いましたね。いま文化の問題でも、何の問題でもいいが、ものを考えている人がうまく問題を出そうとしませんね。答えばかり出そうとあせっている。

小林秀雄・岡潔『人間の建設』

 

 

教養がある人とは?

つまり、教養がある人とはどんな人かというと次々に問題を自分の中で生み出していく人間ではないかというのが私も納得の一つの導きである。

 

ただ、下記のヤスパースの言葉にもある通り、「自分が知らないことが増えていく」という無知と何もしない無知では天と地ほどの差があることは付記しておきたい。

 

無知において、ただし充実せられ獲得せられた無知においてのみ、私たちの存在意識の独特の源泉が存するのであります。

カール・ヤスパース『哲学入門』

 

 

自分自身の限界を知ったり、人間理性の限界を知るとき、人間は初めて物事に対して寛容になることができるということなのだ。

 

 

確かに我々は「真理」だったり「答え」というものを求めてしまう。

しかしながら、常に出るとは限らないし、その出したと思った答えがある日崩れることがあることに気づいている人が教養がある人なのではなかろうか。

 

私は、この教えが真実か嘘なのか、利益になるのか害になるのかを探求しようとは思わない。しかし、結局のところ、このような信仰のあるものは、われわれ全ての心中に、教えられる事はなくても存在している。

エッカーマン『ゲーテとの対話』

 

ここまで書いてくると私自身気づきがあるのだが、教養というのは一朝一夕では積み上げられないなということである。

 

 

充実した無知というのは何年、何十年と時間を経なければ成し遂げられないと言うことである。

そしてその充実した無知の感覚を突き詰めた人こそが教養のある人であろう。

 

教養をつけられると感じる5冊の本

私は教養というものがある人間というには程遠いため、私の代わりに教養があると素人が見てもわかる人間の本を最後に紹介して終わりとしたい。

 

まず1冊目は、本論考で紹介した小林秀雄の『読書について』である。

続いて2冊目であるが、エッカーマンの『ゲーテとの対話』である。

3冊目は、私一押しのアーレントの中でも『過去と未来の間』を選書した。

 

4冊目は、カール・ヤスパースの『哲学入門』である。

 

 

 

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